スーパー・ブルー・ブラッド・ムーンの夜に、大阪のおじさん2人と飲んだ話。

こんばんは。藤川あおばです。
文中の関西弁は、雰囲気で。

なんでここにいるんだろう、と考えながら歩いてたら、二人のおじさんに会った。

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夜の小さな飲み屋街。
ここって自分の町から何キロ離れてるんだろー。なんでこんなところ歩いてるんだろなぁー。
頭の中で独り言を言いながら、とある立ち呑み屋が目に入った。

「今日は皆既月食らしいで〜!!」と言いながら写メを撮るお客さん。

そうだった、今夜はスーパー・ブルー・ブラッドムーン。
30何年に一度だったか、すごく珍しい月が見られる夜だった。

店員さんの掛け合いから、雰囲気のよい店なんだろうな。
今夜はガヤガヤしたい気分。あとで寄ろう。

一度通り過ぎ、夕食を別の店でとって戻ると、あいにく満席の様子。
50代前後と見える常連客らしい男性2人が、中に向かって「二人なんやけど、入れるかー!」と声をかけているのが見えた。

今日は諦めよう。私は気にならなかったような素振りで退散しようと思っていた。
すると、「一緒に行きます??」と唐突に声をかけられた。
私もちょっとは迷えばいいだろうに・・・間髪入れず、実は入りたかったんです、と言って仲間に入れてもらうことにした。
「ほらほら、そうや思ったんよー!!」
再び中に向かって、「三人、いけるかー??」と伝えてくれた。

・・・私もまずまず年頃の女である。
一般的には、もう少し警戒する必要があったのかもしれない。
「おいおい大丈夫かよ」と突っ込みたくなる友人たちもいると思う。
でも、別々に店内に入っても、きっと結果は同じことじゃない?
隣にいたら、喋っていたと思うし。
特にいやらしい感じも受け取らなかったので、ご一緒させていただくことにした。
二人とも、まさか本当についてくるなんて思わなかっただろうな。

白ワインと梅酒、スルメキムチに磯辺揚げ。話題は結婚、そして仕事の話。

遠くへ来たものである。
ここには誰も知っている人はいない。
なんでも言える。

20代後半の女性に振る話題はやはり「結婚してないの?」「しないの?」という鉄板ネタ。
私は、しません、向いてないと思うので、と答えた。

ひとりの時間を大切にしていること。
そうしなければ自分を保つことが難しいこと。
だから家庭をもつことはできないだろうということ。

「それじゃあ今は結婚して辞めるっていう選択はないよなぁ」という話から、話題は仕事へ。
むしろ、仕事の話を聞いてほしかったから、私の方から振ってしまったところもある。
気持ちがドロドロ溢れてしまうのだ。今日も、ここに来るまでに何度泣いたかわからない。

どこまでやっても頑張りが足りない気がすること。
手を加えられる部分が目についたら放っておけないこと。
できないくせに完璧主義だから、いっぱいいっぱいになるのだということ。

今の上司は、頑張ったらその分評価してくれる。
環境に問題はない。私の問題だ。

二人は言った。
「適当でええんや!頑張らんでも、なんとかなるもんやで」と。
「休んだって、周りがなんとかしてくれるしな」と。
・・・今まで何度も何度も言われた言葉だ。上司から、同期から。
声をかけてくれる人がいなくて苦しんでいる社会人が、この日本にどれだけいるの?
私は本当に恵まれている。なのに。それなのに。

手を抜くことができない。
家に帰っても仕事のことを考えてしまう。
あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ。
自己満足が、自分を苦しめる。

自己満足が自分を苦しめている。

業務上、流していいところまで突き詰め過ぎている自覚はある。
どうしても気持ちがわるいのだ。
見えたものを見過ごして、それでできたことにしてもいいのだろうかって。

ブログでもTwitterでも重ねて書いているけれど、私は「早く帰りたい」。
1日の終わりは、ひとりで静かに自分に戻りたい。
もしも残業が続く部署に行ったら、元に戻る時間が足りなくなってぶっ壊れると思う。

時間を確保するために、自分を「普通」に保つために、私は仕事を高速化する。
係の仕事がうまく回るように、邪魔をしないように、少しでもプラスになるようにって意識している。
なんだか、そうしないと罪悪感につぶされてしまうのである。
「みんな」が気になる。潰れるくらいなら気にしなきゃいいのにね。

「早く帰るために完璧を目指す」。
それももう潮時かもしれない。

近くにも遠くにも、「頑張らんでいい」という人がいる。ということは、本当に本当に、そうなのだ。

「頑張らなくても、なんとかなる」。
身近な上司や同僚、友達も、そう言っている。
それどころか、偶然一緒に飲んだ大阪のおじさん二人だってそう言っている。

今回嬉しかったのは、「公務員だから休んでこんなとこ来てるんでしょ?甘いことを」って一喝されなかったこと。

「公務員は勤務条件に恵まれているから、文句を言っちゃいけない」。
「休んで甘えて、お前は何を考えているんだ」。
そう言われるかもなぁ、って思ってた。
学生時代からの友人の一部からはそう言われたし、公務員叩きみたいな風潮もだいぶ緩やかになったとは言え、声は気になってしまう。

でも、そんなふうに言って一番追い込んでいたのは、周りではなくて私自身なのかもしれない。
あほか。しんどいったらありゃしない。

私、とりあえず追い込むのやめるよ。
適当にやって、適当に切り上げるよ。
それがどうしてもできなかったら、、、どうしようかな。
今はよくわからないや。

そういえば、月がすごく珍しい夜だったっけ。(2回目)

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おじさん2人と話すのに夢中で、スーパー・ブルー・ブラッドムーンを写真に収めるのを忘れていた。
皆既月食になる前の、欠けた写真しか撮れなかったなぁ。
けれども、それ以上に有意義な時間だったと断言できる。

何十年か待てば同じ月を見ることができるけれど、2人とはこの日・この時間しか交わることができなかったのだから。

読んでいないのはわかっているけれど。
田舎の小娘の愚痴を、ただの一度も否定することなく聞いてくれたお2人へ。
本当にありがとうございました。